アパレル製造の現場で必ず登場する「パターン」。初めて聞く方にとってはピンとこないかもしれませんが、パターンは服づくりにおいて欠かせない工程のひとつです。本記事では、「パターンとは何か?」という基本から、その重要性、OEMにおけるやり取りまでを初心者にもわかりやすく解説します。
パターンとは?簡単に言うと「服の設計図」
パターン(pattern)とは、”デザイン画をもとに実際の洋服を形にするための「型紙」”のことです。紙やデータの上で、各パーツ(身頃・袖・襟など)を実寸サイズで描いたものを指します。
パターンがあるからこそ、生地を正確に裁断し、理想通りのシルエットに縫い上げることができます。つまり、パターンは服の設計図のような役割を果たします。
パターンメイキングの流れ
アパレルOEMにおいて、パターンメイキングは以下のような流れで進みます。
- ブランド側がデザイン画や指示書(仕様書)を提出
- パタンナー(型紙を作る専門職)がパターンを作成
- パターンをもとに試作品(サンプル)を製作
- フィッティング(試着)を行い、修正点を反映
- 修正済みパターンが最終的な量産用として確定
このように、”パターンは単なる紙ではなく、何度も修正・調整を重ねて完成する「技術の結晶」”とも言えます。
パターンの精度が製品の完成度を左右する
どんなに素敵なデザイン画があっても、パターンがずれていると着用時のバランスが悪くなったり、シルエットが崩れたりしてしまいます。特にOEMの現場では、パターンの精度がそのまま製品の品質に直結します。
たとえば袖ぐりのラインや、ウエストのカーブ、肩の傾斜など、わずかな違いでも着心地や見た目に大きな影響を与えます。そのため、経験豊富なパタンナーとの連携は非常に重要です。
パターンとグレーディングの関係
完成したパターンをもとに、S・M・Lといったサイズ展開を作る作業を**「グレーディング」**と呼びます。パターンが正確であればあるほど、グレーディングもうまく行われ、全サイズでバランスの取れた仕上がりになります。
逆に、元のパターンが不十分だと、サイズ展開をしても「このサイズだけ着づらい」「ラインが崩れる」などの問題が出やすくなります。
OEMでのやり取りにおけるパターンのポイント
OEM企業とやり取りする際、以下のようなポイントを押さえておくとスムーズです。
- ブランド側の仕様書はできるだけ具体的に
- 使用したい生地との相性を考慮したパターン調整
- 試作品に対するフィードバックは早め・明確に
- 「修正パターン」を都度共有する体制づくり
こうしたやり取りの積み重ねが、OEM製品の完成度を高め、信頼関係の構築にもつながります。
まとめ:パターンは「服づくりの土台」
パターンは、デザインと製品をつなぐ最も重要な橋渡しです。アパレルOEMの現場で働く上でも、パターンの意味と役割を理解しておくことは必須です。デザインの意図を正しく伝えるには、パターンを通しての表現力が必要です。